反軍政ラップがiTunesで1位に タイ警察は封じ込めに着手
10月22日、10人のタイ人ラッパーが構成するユニットRAP AGAINST DICTATORSHIP(反独裁のラップ)が、軍事政権の圧制を批判する楽曲「The Prathet Goo Mee」をYouTubeにアップした。同曲は27日にタイのiTunesダウンロードランキングで1位になり、YouTubeの視聴回数は700万回を超えた。
※追記:11月7日に3000万回突破
Anti-military dictatorship rap song tops iTunes downloads in Thailand
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RAP AGAINST DICTATORSHIP - ประเทศกูมี
我々日本人には、独裁政治や表現の自由のない世界がどのようなものであるかを想像するのは難しいだろう。2014年のクーデター以降、悪徳軍事政権と気違い国王が牛耳るタイでは、国家のカルト化が進んでいる。完全に常軌を逸した国王を神のように崇拝することを国民に強要し、批判の一切は国家権力を用いて封じ込める。
prayforthailand.hatenablog.com
日本でも、共産党をはじめとする野党が「安倍独裁」などと叫んでいるが、タイで図らずも独裁の犠牲者になり、地獄の日々を強いられている人々を知る私は、正直、彼らに軽々しく独裁などという言葉を使ってほしくないと思う。本当に彼らは、独裁国家の現実を知っているのだろうか。
報じられることすらない厳しい現実がタイには存在する。このラッパーたちのことは知らないが、軍事政権からの脅しに屈せず、命がけで反政府活動を行う多くの人々がいる。彼らを突き動かすものは一体何なのか。背景は様々だろうが、単に独裁がけしからんという理由で、命を懸けることはできるだろうか..。
タイ警察は昨日、ラップソングに法律違反の疑いがあるとして、本件の捜査を開始したと記者団に語った。
「ミュージシャンに警告する。法を犯すリスクを取るな。それは、あなたとあなたの家族にとってよくないことだ」
POLICE TO SUMMON RAPPERS WHO CRITICIZED MILITARY GOVT
独裁国家は、家族への脅しも忘れない。上記記事によると、タイ警察の発表の2日前、タイの外務大臣は記者団に対し、以下のように述べたばかりだと言う。
「諸外国は、現政権がクーデーター政権にもかかわらず、完全な自由が保障されていることに驚いている」
PVで模擬されているのはこの写真。1976年10月6日タマサート大学虐殺事件。